「トイレカード」の悪い点と、実現させるのに必要なポイント
※トイレ系の話題なので、ご飯を食べながら記事を読もうと思っている皆さんはお手数ですがブラウザバックを推奨致します。
どーもどもども絨でーす!
元々自分自身お腹が強い方では無くて、かなりお腹を壊す頻度が多く、通勤通学ラッシュの時間帯を中心に公衆トイレを利用しています。
小さい頃には「急性大腸炎」という病気を患ったこともあり、「潰瘍性大腸炎」という病気を抱えているカードの発案者様の苦悩が1ミリも分からない訳ではありません。
そのため、「トイレカード」という発想を初めて聞いた時に少し関心を持ち、そのカードを施行させた時に生じるであろう問題点を考えてみたところ、実現は簡単ではないという結論に至りました。
1. 「トイレカード」とは
この世の中には、「潰瘍性大腸炎」「クローン病」など自分の意思では便通を抑えることが出来ない病気を抱えている方がいらっしゃいます。
そのような方々が、外で症状が出た時に公衆トイレが混んでいたりすると漏れてしまったりと大変なことになってしまうので、
並んでいる人達に「トイレカード」を見せることで、病気だから先にトイレを譲って欲しいとお願いし最優先にトイレに入れるようにする。
そのために、発案者の方は「トイレカード」を考えたそうです。
ただ、水戸黄門の紋所のような使い方では無く、あくまでもお願いして譲ってもらうようなスタンスだそうです。
2. 「トイレカード」、配布開始
2019年9月7日の13時~15時の間に最初のトイレカードの街頭配布が行われたそうです。
また、郵送でもトイレカード配布が行われているようで、
「かながわコロン」様のHPより確認出来ます。
既に配布が開始されてしまっていますが、現状だと間違いなくうまくいかないと思います。その根拠について、次の大見出しから考えていきます。
3. 「トイレカード」の問題点
現状で考えられるトイレカードの問題点を列挙してみます。実際に試してみないと分からない部分もあるとは思いますが、95%以上譲ってもらえないと考えています。更に、「トイレカード」自体が必要なのかどうか怪しい点もあります。
3.1 知名度
トイレカードがどういう物なのかが一般社会に浸透していないと、譲ろうと思えないですよね。
例えば、どういう人が所有することが出来るカードなのか・譲ることでどんなメリットがあるのか・譲らないといけないくらいの病気なのか、etc。
つまり、カードに関するあらゆる情報です。
現状の知名度ではカードを知らない人の方が多いので、見せられた所でイタズラか「頭おかしい奴が何か言ってる」くらいにしか受け取られないと思われます。
知名度の問題に関しては、発案者の方を中心に声を出し続けることで、徐々に解決出来る問題かもしれないので、まだ軽めの問題でしょう。
3.2 どの病気までならカードを配るか等の線引き
発案者の方のtweetを見ていると、潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病、過敏性腸症候群等の病名が登場しますが、どの病気の方に配るかの線引きが不透明なのが現状です。
潰瘍性大腸炎なら持てるけど、生まれつき下痢になりやすい人には配られないとなると、新たなバトルが始まって、余計カオスになりそうな気がします。
3.3 公衆トイレに並ぶ人自体が切羽詰まってる
皆さんは電車などで便意が来たくらいでわざわざ公衆トイレに並ぶでしょうか? 殆どの方は並びませんよね。その場合は目的地に着いてからゆっくりトイレに行くと思います。
逆にどういう時に公衆トイレに並びますか? そうです! 下痢などにより緊急でトイレに行く必要が出てきた時とかに並びますよね。
要するに、公衆トイレに並んでいる人の大部分は、下痢や種々の症状で緊急にトイレに行く必要が生じた方々なんですよ。
そういう方たちに、いきなりトイレカード見せても譲ってもらえますかね、、
無理だと思います。病気・NOT病気は関係なく、みんな切羽詰まってますから。
そう考えると、今まで通り早い者順がベストなのが分かりますね。
3.4 病気を患っている方のイメージが悪くなる
仮にカードを配布して、カードの使用が開始されたとしても、カードは3.3で述べた通り「切羽詰まってる人たち」に対して使用することになるんです。
仮にこの記事を読んでいる皆さんが、下痢のせいで公衆トイレで順番待ちをしていたとします。自分含め3人並んでいました。
前にいた2人がお通じを済ませ、いよいよ自分の番だと思った瞬間!
トイレカードを持った方が声をかけて来ました。「トイレ、譲ってもらっても宜しいでしょうか?もう、ほんとやばいんです! 一刻を争うんです! お願いします!」
皆さんどう感じましたか? 図々しいなと感じる人も多いと思います。
この時点でカードを持っている方のイメージが多少なりとも悪くなってしまうんですよね。
病気を患っている方は、病気を一般の方に理解してほしいと思っているはずなのに寧ろイメージダウンして逆効果になってしまっている。
これは深刻な問題だと言えます。
3.5 病気持ちの人の中でもカード反対派が多数
twitterで、クローン病を患っている方が四択のアンケートを実施しておりまして、
このような結果になっています。IBDというのは、潰瘍性大腸炎とクローン病の総称です。
なんとIBDを患ってる方々の中でも過半数がカードに反対という現実。
こうなってしまうと、「トイレカード」は発案者と発案に携わっている方の”わがまま”と捉えられてしまってもおかしくないですね。
なぜなら、多数派であるIBDを患っていてトイレカードに反対をしている方は、トイレにすぐ入れないという問題をしっかりとケアしているか、IBDとかIBDじゃないとか関係なく早い者順で良いと考えているからです。
こうなると、トイレカード自体の理解を病気ではない人から得る事は容易では無くなってきてしまいますし、何よりトイレカードが必要なのかどうかすら怪しくなってしまいます。
4. 「トイレカード」実現に必要なポイント
大見出し3の内容から、そもそも「混んでいる公衆トイレで譲ってもらうこと」「国民の理解・線引き」自体が難しいことが分かったと思います。
そのため、「混んでいる公衆トイレで譲ってもらうこと」以外の何らかの効力を持った形でトイレカードを実現させる必要があるのではないだろうか。
そのため、最低限実現のために抑えるべき2つのポイントを考えてみました。
4.1 トイレカードは医者が処方する
折角トイレカードを作った訳ですから、どの病気の人に配るか等の線引きを明確化・国民の理解を得た方がトイレカードが力を持つわけです。
ではどうすれば力が得られるかと考えると、シンプルにトイレカードは医者が処方するものにしてしまえば良いと思います。
今現在は潰瘍性大腸炎を患ってる方の間で出来た組織「かながわコロン」様の方が作って、既に配布までし始めているので、これでは病気では無い方の意見が反映されてない上に線引きもしっかりしているのか疑問です。
現状では、ただの欠陥カードなので、まずは医者が処方するような代物にする必要があるでしょう。
もし、何らかの理由で医者が処方するものに出来なかったとしたら、トイレカードは今の社会には必要な物では無いということでしょう。
4.2 トイレカード持ってる人用のトイレの個室を作る
医者が処方するようになっても、結局「混んでいる公衆トイレで譲ってもらうこと」問題が解決出来てませんよね。やっぱり3.3の理由から譲ってもらうことは難しいと思います。
となると、譲ってもらうようなシステムでは無く、新たなシステムを構築する必要があるでしょう。
自分的には、大きい主要の駅だけでも良いので、公衆トイレにトイレカード持っている人専用の個室を作るというのを推します。
トイレカードにICチップが埋め込まれていて、トイレカード専用の個室のドアにトイレカードをかざすと、開くようなシステムですね。
勿論導入にお金がかかるので、導入するまでに時間がかかると思いますが、これくらいしないとトイレカードは上手くいかないでしょう。
5. まとめ
〇 トイレカードには、どの患者様に配るのか等の線引きや国民の理解が得られていない、切羽詰まっている人ばかりで混んでいる公衆トイレで譲ってもらうのは至難の業等の問題があり、これでは殆ど譲ってもらうことが出来ず、カードを作った意味が無い
〇 IBDの方の中でもトイレカード反対派が多数のため、現状ではカードの必要性が感じられない
〇 もしトイレカードを実現させるなら、カードは医者が処方することと、公衆トイレにトイレカード持っている人専用の個室を作るという2点は最低でも抑える必要がある。それが難しいなら、残念ながらトイレカードは上手くは行かない。
トイレカードについて色々と書かせて頂きました。
現状のトイレカードに関しては自分も反対派ですが、トイレカードを発案して色々と行動された方々には、その行動力に尊敬の念を感じています。
また、IBDの皆様にとって、少しでも便利な世の中になればと嬉しいです。勿論「寛解」では無く「完治」するように医療が進歩するのがベストですけどね。
ではではまたまた~