『ワールドトリガー』論理的かつ戦略的な集団戦を緻密に描いた最強漫画
どーもどもども絨です。
今回は、最近読んだ漫画の中で、どうしてもおススメしたい漫画について紹介したいと思います。
紹介するのは1作品だけなので、是非気軽に読んでみて下さい!
1. ワールドトリガーの概要
「ワールドトリガー」はジャンプSQに連載中のバトル漫画です。
主人公の1人である三雲修が、ネイバー(異世界に住む人間)の侵攻から地球(ミデン)を守るための組織である界境防衛機関「ボーダー」に入隊し、ボーダー内の色んな人々と切磋琢磨しながら成長していく物語です。
”ただ単に自分が そうするべきだと思ってるからです”
三雲修。恋人の前でこんなかっこいいセリフを言ってみたい。
漫画「ワールドトリガー」より引用。
ワールドトリガーのオリジナル設定の代表格としてトリオンが挙げられます。
トリオンとは人間が体の中で生成するエネルギーのような物で、主人公達はトリガーと呼ばれる武器を用いてトリオンを消費させながらネイバーとの戦いに身を投じていきます。
また、ワールドトリガーの世界において主人公達が住んでる地球の周りには、惑星国家と呼ばれる異世界が存在していて、そこには近界民(ネイバー)が住んでいます。
そのような地理的な設定の元、ネイバーが地球に侵攻してくるのです。何故侵攻してくるのか?? それにはトリオンが大きく関わっており、ネイバーについて分かってきたことも増えて来ましたが、まだまだ不明な点も多いのが現状です。
2. 特徴
2.1 個性的な主要キャラ達
ワールドトリガーのキャラ達は、王道のかっこよさや可愛さを持っている訳では無いと個人的には考えています。その分かなり個性的なキャラ達が登場し、それぞれの良さをが引き立っています。今回は主人公4人を紹介!
三雲修
メガネを掛けている主人公。戦闘力・トリオン生成能力低く、他の能力も優れているとは言い難いため主人公としては特徴に欠けているように思われるが、実はそうでは無い。個人的には、一番欲しい力を持っている。気になる方は是非単行本を御一読下さい笑 因みに母親が美人。主人公の1人である、「迅」が決して能力の高くない修をボーダーに入隊することを推薦したため、未来では修がキーパーソンになっている可能性を感じる。(迅については後述)
空閑遊真
身長の小さい白髪の男の子。ただの地球(ミデン)の人間では無く、ある事情で11歳の頃から体の成長が止まっている。トリオン生成能力が普通の人より高いため、サイドエフェクトと呼ばれる超能力を得ている。具体的には話している相手が嘘を付いているか分かる能力である。戦闘能力も非常に高く白兵戦に秀でている。修とは親友であり、ボーダー内の訓練やランク戦ではチームを組んで共闘している。
”おまえ・・・・・・ つまんないウソつくね”
空閑遊真。もし恋人にウソを見抜かれてこんなセリフを言われたら、、、ヒエェ
漫画「ワールドトリガー」より引用。
雨取千佳
修の家庭教師を担当していた雨取麟児の妹。自分よりも他人を優先する性格の持ち主で、修も千佳を気にかけている(というか過保護?)。作中でもトップクラスのトリオン生成能力の持ち主のため、実はネイバー侵攻の原因となっていたりする。戦闘面では、白兵戦には疎いため、修のチームの中でスナイパーなどの遠距離射撃を担当しているが、致命的な欠点を持っている(た)。千佳もトリオン量が豊富なため、サイドエフェクトを持っており、敵の気配を察知して自分の気配を消すというものと予想されている(作中でしっかり言及はされていない)。
”遊真と修をたのむ オレの代わりに”
雨取千佳。同じチームのエースが負けて、劣勢に立たされた際にエースが千佳に放った一言。この後千佳は欠点を克服し、チームを勝利に導けるのか!?結果はワールドトリガー22巻を読もう!!
漫画「ワールドトリガー」より引用。
迅悠一
修をボーダー入隊へと導いた張本人。修にとってはボーダー内の先輩であり、ボーダーの古株の隊員である。ボーダー内でも戦闘能力はトップクラスであり、迅と相性の良いとある武器を使用した際には、ボーダー内の戦闘力トップクラスの隊員6人をたった一人で倒せる程。迅もトリオン生成能力が普通の人よりも高いため、サイドエフェクトを持っており、目の前の人間の少し先の未来が見えるという内容である。見えた未来が悪いものでも、その後の行動次第では未来が変化するため、ネイバーが襲来した際には迅の未来予知は何よりも重要となる。この未来予知によって、ネイバーの襲来なども予知が可能なため、先手を打つことも可能。言わばチートである。(色んな未来が嫌でも見える関係で、精神的疲弊は凄まじいだろう、、、)
”はい 俺のサイドエフェクトがそう言ってます”
迅悠一。未来が見えた時に放つ名台詞。迅には、あらゆる未来の可能性が並列に見えるらしく、「味方が死ぬ」なんて未来が見えることも、、、
漫画「ワールドトリガー」より引用。
2.2 「敵」といった立場が固定化されていない
2010年代に人気が出た漫画というと、「進撃の巨人」や「鬼滅の刃」などが思い浮かぶと思います。これらの作品には「巨人」や「鬼」と言った人間サイドからするとあまりにも強力で理不尽という設定の明確な「敵」が登場しますよね。
そういった絶望的な世界設定がそのような作品の魅力の1つだと思います。
しかし、ワールドトリガーは大分違います。ネイバーの侵攻も兵器が使われていますが、ネイバー自体は「人間」であることが分かっています。更に、迅の未来予知等のお陰で、ある程度理不尽な状態から脱出した段階から話が始まります。
何よりも、個人的にネイバーを恨んでいるキャラは出てきますが、ネイバーとは仲良くしようとするキャラもいたりと、作品を通して明確に「敵」と見なしている存在はありません。
作中で「アフトクラトル」と呼ばれる惑星国家が戦う相手として登場しますが、アフトクラトルサイドの状況や主要キャラの心理描写も充実していて、色々なキャラの立場から作品を楽しめるようになっています!
この視点もワールドトリガーの特徴であり面白さであると考えています。
”「近界民(ネイバー)にもいいやついるからなかよくしようぜ主義」の我らが玉狛支部”
by 迅
ワールドトリガーの一台詞。このようにネイバーを明確な「敵」と固定化せず、色んな考え方を持つ人物が登場する。
漫画「ワールドトリガー」より引用。
"近界民はすべて殺す それがボーダーの務めだ"
by 三輪 秀次
昔の「ある出来事」が理由でネイバーを許さない主義の三輪秀次。こういった考え方のキャラも登場する。
漫画「ワールドトリガー」より引用。
2.3 素晴らしい戦闘描写 ~多 vs 多~
個人的には、ワールドトリガー最大の特徴はこれだと思っております。ズバリ戦闘描写!
ワールドトリガーの戦闘描写の特徴は主に2つあります。
A. 緻密な戦略・戦術が展開され、主人公補正で勝つなどのジャンプ要素がほぼ0であること(勝利にも敗北にも理由があり、現実的)
B. 1vs1が何か所かで起きるようなブツ切りの団体戦では無く、味方同士の動きが相互作用しており、チームvsチームの描写が詳細に描かれていること
C. ブッチぎりの最強キャラが登場しないこと(明確な弱点がある)
Aについては、マガジンで連載されていた「ベイビーステップ」などの前例があると思いますが、Bの要素を持つ漫画については初めてなのではないかと思います。
特に凄い場合では、3人vs3人vs3人vs3人の集団戦がきっちりと描かれています!
また、Cのように作中で強いキャラは登場しますが、集団戦のバランスを崩壊させるほどのチートは登場しませんし、仮に一芸に秀でているキャラがいても必ず弱点が露呈します。(作中のキャラ達が弱点を炙り出しているといった方が正しいかも)
その弱点を組織力で突いていく戦術・戦略を立てる会議や実際の集団戦での各メンバーの動きが魅力的です。
2.4 集団戦での力無き者の戦い方
集団戦の場合、個人戦とは違って、個人の能力や運だけで勝敗が決まる訳では無く、戦略の練り方次第では修のような決して能力の高くないキャラでも活躍出来る可能性が多いに出てきます。
例えば、ボーダーの先輩隊員に「スパイダー」と呼ばれるオプションの使い方を教えてもらう修。修は「スパイダー」を使って遊真の長所を活かす戦略を考案する。
このスパイダーが純粋な戦闘力で劣る修が活躍する糸口となっていきます。
力が無いからこそ、「チームのアタッカーのサポートに徹する」という選択肢もあり、敵チームからサポートしかしないと思われている現実を逆手にとって「前線で戦う」という選択肢もある。既に戦っている相手に存在をアピールして意識を分散させることで、ミスを誘うなんて選択肢も、、
ワールドトリガーは、読者に様々な「可能性」を提示してくれているように思います。
2.5 物語のゴールが不明確
ドラえもんのような最終回が無いような漫画を除いて、基本的に漫画にはゴール(最終回)がありますよね。そして、特にバトル漫画の場合では物語のゴールが明確になっている場合が多いように思います。
例えば、ワンピースなら「海賊王になること」。進撃の巨人なら「巨人の駆逐」。Fate/ grand Orderであれば白紙化された地球を元に戻すこと。Toloveるであれば、(自主規制)。
しかし、ワールドトリガーはゴールが不明確です。沢山ある惑星国家に住むネイバーを倒し切るのも、みんなと仲良くなるのも現実的では無いです。
どのような経緯を経て、ワールドトリガーが完結するのかをわくわくしながら見届けるのも、1つの醍醐味ではないかと個人的には感じています笑
3. まとめ
如何でしたでしょうか。ワールドトリガーの魅力や個性が少しでも伝わって下されば幸いです。
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ワールドトリガーの集団戦の魅力については、別の記事で挙げたいと思っていますので、是非とも宜しくお願いします。
ではではまたまた!